だけのこ日記

何もない日常が日常、それ”だけ”のこと日記

ある日、森の中(1)

(真の暗闇)があるとしたら此処のことかもしれない。そんなことを考えながら鬱蒼とした木々のようなものが連なる道を歩いている、ようだ。歩いてはいるけれど道なのかも本当はわからない。たまに吹く風が揺らす音で森だろうと推測している。前も後ろもわからないけれど私が進む方向(ing)が前で進んできた(past)ところが後としている。上と下は頭が上、足が下。…足?見えない。なんなら手も。当然に頭は自分で自分を見ることができない。進もうとしている方向も確かなのかわからず、ただ、進んでいる。進まねばならないと見えない体が動く。たとえ景色が見えなくても。景色。暗闇を定義することのできた私は光を知っていたはずだ。光の射すその下にきらきらしたものがあふれていた。それはいつの頃だろう?暗闇をずっと歩く。ずっとずっと。(続)